実は承諾していた 引きずりおろし事件の真実

連日、大炎上のユナイテッド航空の乗客引きずりおろし事件。
日本ではあまり報じられていませんが、医師であるダオ氏、一度は座席提供を承諾していたようです。

一度は座席提供をすることを承諾していたダオ氏と妻

夫婦でカリフォルニアの休暇からの帰宅途中であったダオ氏夫妻。
なぜ、妻は座席提供を承諾したのに夫はかたくなに拒否したのかが一つの疑問でした。

また、ソーシャルメディアの影響を考えていない点では最低の評価ですが、ユナイテッド航空のCEO、オスカー・ムニョス氏の従業員あての最初のメッセージもかなり強気だったのも疑問と言えば疑問。

CBS(ニューヨーク)のインターネットサイトのニュースを見て、納得しました。


When they couldn’t get any volunteers to give up their seats, United picked four passengers at random to be removed from the flight. Passengers said at first, Dao said he would give up his seat.

“He volunteered — him and his wife — they volunteered, initially, for a second,” said passenger Jay Anspach. “But, once they found out the next flight wasn’t until today at 2:30 p.m., he said: ‘I can’t do that. I have to be at work.’ That may be one of the reasons why he was chosen.”

Criticism Intensifies Against United Airlines After Passenger Is Dragged Off Plane April 11, 2017 11:32 PM CBSNewYork/CBS Chicago/AP

乗客の男性がインタビューに答えていますが、最初にダオ氏夫妻は座席提供(ボランティア)に応じていたとのこと。しかしながら、次の空席があるフライトが翌日の14:30発のものまでなかったことから応じられないと態度を変えたとのことです。

条件がわからないのにボランティアに応じたダオ氏夫妻のミス

ダオ氏、最初に振り替え便がどの便になるかもわからない状態で座席提供に応じてしまったんですね。

これはダメだわ。

こういった場面でユナイテッド航空に限らず航空会社側は「次の空席がある便」という言い方をします。
こちらから聞かないと言わない場合が多い。

そのままボランティアに応じてしまうと、空席がある便が翌日だった場合、その翌日の便に振り替えられてしまいます。

ただし、条件付きで応じることも可能。
例えば「本日中に最終目的地に到着できるのであればボランティアします」など。

今回の場合、「ボランティアします」と承諾したのに、振替の便が翌日になったからといって断ったのでであれば、承諾してしまった時点でダオ氏の座席は取り消されているので機内へ戻るために再度交渉し座席を再び確保することは非常に困難となります。

ボランティアに応じるのであれば詳細な条件確認と事前の情報収集を

私も何回かボランティアに応じたことがあります。

最近はオンラインチェックインの際に「ボランティアする?」というような項目が出てあらかじめ「応じる」としておくと搭乗口で待機し、最終的に翌日の便に振り替えられたこともあります。

具体的にはマイアミからワシントンDC、ワシントンDCで1泊して帰国するとき。
ボランティアに応じる段階で翌日の朝の便にかなりの空席があることを確認しておいたので日本には予定通りに着けるだろうと推測したから。

宿泊ホテルも手配され、ワシントンDCのホテルが手数料無料でキャンセルできたため、宿泊が無料に。加えて旅行券もいただきました。

もちろん、翌朝の便が満席だったりある程度混んでいたのであれば当然ながらボランティアに応募はしていないと思います。

ダウングレードや強制座席提供の場合は交渉内容を吟味

一旦、ダウングレードしてその後、こちらからリルートを交渉して、再びアップグレードしてもらったことも。

ラスベガスから帰国 国際線ダウングレードを経験するも直前回避

この時はダウングレードのお詫びとしてバウチャーもいただいています。

アメリカの航空会社は交渉をすればある程度は応じてくれる場合があります。

でもどうしても無理な時も。
そういった場合は交渉相手を変えてみることも必要。
電話の予約センターでもいいし、ユナイテッドクラブのカウンターでも交渉が可能です。

それでも無理な場合は受け入れる寛容さが必要。
搭乗口や機内で奇声をあげたり騒ぐのはもってのほかです。

経験では日付がまたがるような変更になること自体が稀

あくまでも私自身の経験とお断りしますが、ボランティアに限らず、当初予定と日付が変わるような変更になったのは3回。
ユナイテッド航空には200往復以上搭乗。
フライト数だけだとその倍は乗っています。

ソーシャルメディアは衝撃的なものが拡散される

ユナイテッド航空はやはり対ソーシャルメディアの対応が下手と言わざるを得ません。

この引きずりだし事件の数日前に起こったレギンス少女搭乗拒否事件もふたを開けてみればパスライダーと言われる従業員用特典航空券で、しかもただ単に全員分の空席が確保されなかっただけの問題。

レギンスで搭乗拒否!? 航空会社のドレスコードとは

ソーシャルメディアは全ての内容がきちんと伝わっていくメディアではありません。
また伝わっている内容が100%の真実なのかどうかも。

ユナイテッドは今回の炎上で教訓を得ることができるのでしょうか。

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2 件のコメント :

  1. 次のフライトの時間を知るまでのほんの一瞬(for a second)と記事には書かれています。フライト時間の説明を受けて「それならだめ」というのはふつうにあることだと思いますが。

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    1. こんにちは。

      この記事を書くのにあたり複数のソースを確認しています。
      800ドルの金銭提供に同意し、降機した後で搭乗カウンターで振替便が翌日だと判明し、係員らの制止を振り切り、罵声を浴びせ、奇声を上げながら機内に逆戻りしたとの報道も。

      いずれにしても、承諾した後でフライト時間を知らされて拒否に変わったのは間違いないですよね。
      無理なら承諾する条件としてフライト時間を言うべきであり、承諾した後で拒否するのとは交渉結果が全然違ってきます。

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